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何にも包まれていない想い   

残された遠い昔の傷痕が疼きだす
大丈夫と言い聞かすあなたの声は震えていて
その左手からは哀しい赤が溢れ出す
あとどれくらいの勇気を持てたらあなたが笑ってくれるのか
それは見当もつかないけれどそれでも伝えたい想いは次々と込み上げる
伝わらないなら痛い矢で突き刺して
伝えられないなら熱い盾を押し付けて
星ひとつさえみつけられないそんな眼なら開かないほうがマシ
闇に溶け込むあなたの後ろ姿はとても小さくて
だけどいつかその背中に追いつくと信じながら走る
誰の為でもなくただ自分を守る為に生きて
もうそれ以上の哀しみなんてないから
もうそれ以上の苦しみなんてないから
もうそれ以上の痛みなんてないから
こんな声だけど届いてほしい
こんな言葉だけど耳にしてほしい
見上げた空が奇麗であるように
手にとった幸せがたとえ脆くとも心に焼き付けて
どこまで行けば辿り着くかなんて誰にもわかりゃしないけど
あなたの声を頼りに前へと進む
あなたの温もりを抱えていつの日も天を仰ぐ
こんな汚れた世界でも磨けば光るものが必ずある
きっとあなたも見つけられる筈
例えばひとりきりになってしまって目の前すら見えなくなっても
諦めさえしなければ進むべき路は自ずと見えてくる
信じるものすらひとつもなくなったとして絶望に包まれたとしても
頭上を見上げれば蒼き門が開ける
背中にしまい込んだその翼を大きく羽ばたかせ天高く飛び立て
そしてあたしに見せて
希望という名の輝ける未来を
笑い声が白く滲む頃あたしはきっと泣いているでしょう
そして一言だけあなたに告げるわ

「遅すぎた」

消えそうに笑わないで
崩れそうに話さないで
真っ直ぐあたしの眼を見て
どうして時々こんなに苦しいかって
そんな愚問はもうたくさん
答えはもう見えている
誰でも持っている心の闇を解き放ち人の痛みさえも飲み込んで
そしてあたしに響かせて
あなたが感じ受けた苦痛を

諦めかけた笑顔なんて見たくもない

by sa_vertin | 2007-08-15 02:09

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